島根県農業経営・就農支援センター(旧:島根県農業経営相談所)

「難しい時期にこそ経営の振り返りを…」

島根県農業経営・就農支援センター　経営専属スタッフ　　井脇　寛

（株式会社　社長室　代表取締役、中小企業診断士）

 　コロナ禍がやっと収束してきたと思った矢先、中東でのキナ臭い動きが始まり、また、ロシアのウクライナ侵攻が２年を過ぎても収まらず、さらには、主に金利要因での過度な円安が進み、輸入物価の高騰による負の影響も続いており、加えて、政治による裏金問題も依然尾を引いている中、大手企業の歴史的賃上げにも拘らず、当県中小企業や農業他諸産業は未だ明るさが見えない状況で、全体的に見れば、我が国経済は依然出口の見えない混迷が続いております。

このような状況下、農業者の方々には、様々な原材料等々の値上げが続いているにも拘らず、それがなかなか販売価格への転嫁には繋がらず、とても賃上げどころか、「どこが景気回復か～」、というのが正直な実感であり、未だに低迷から抜け出せていないというのが現実であろうと拝察致します。

しかし、このような停滞した時期にこそ、自社の経営を振り返り、反転攻勢への良い切っ掛けとしたいものだと思います。「食料・農業・農村基本法」改正を契機として、デジタル化、脱炭素化、販路拡大、自給率向上、高齢化等々、農業が取り組むべき課題はより明確になりましたが、その解決のための施策は未だ山積し、有効な手を打てない状況が続いています。逆に、このような中だからこそ、自社の様々な経営課題を整理し、夫々に手を打つべき絶好の時期が到来したと言えるでしょう。換言すれば、自社の経営課題が整理できれば、優先順位を付け、それをいつまでに改善するか具体策を検討し、達成目標と達成時期を立て、それに向かって一つずつ着実に取り組んで行く好機と捉えることができるでしょう。

難しい時期にこそ、自社の現状の経営状態を正確に知り、今何をなすべきか、まさに、経営を再構築し自律するチャンス到来と言えるでしょう。

その一助に、当支援センターがお役に立てれば幸いと考えます。経営改善に精通した専門家を揃えておりますので、何でも当支援センターをご活用頂けるものと思います。どんなご疑問やご要望でも構いません。専門家・スタッフ一同、皆様のご利用をお待ち致しております。

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